研究

粉体プロセス統合工学グループ

レーザー,粉体,プロセス・インフォマティクスで
表面微細構造を制御し機能化する

レーザー,粉体,プロセス・インフォマティクスで表面微細構造を制御し機能化する

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グループ代表者:長藤圭介 教授

東京大学大学院工学系研究科 機械工学専攻
生産プロセス工学研究グループでは,生産プロセスの開発,特に表面に微細な構造をレーザや粉体を用いて効率よく加工する方法を開発しています.表面のマイクロ・ナノ構造は,光・熱流体・力・電子・化学物質・生体物質などとの相互作用によってさまざまな機能を示し,新しいデバイスの可能性があります.具体的には,ナノインプリント・3Dプリンタ・レーザ接合方法を用いて,燃料電池・二次電池・モータなどの要素技術の研究をしています.それ以外にもデータ駆動型プロセスパラメータの自律探索などの新しい基礎研究,多くの産業界との共同研究を積極的に行っています.グループでは,生産プロセスの開発,特に表面に微細な構造をレーザや粉体を用いて効率よく加工する方法を開発しています.表面のマイクロ・ナノ構造は,光・熱流体・力・電子・化学物質・生体物質などとの相互作用によってさまざまな機能を示し,新しいデバイスの可能性があります.具体的には,ナノインプリント・3Dプリンタ・レーザ接合方法を用いて,燃料電池・二次電池・モータなどの要素技術の研究をしています.それ以外にもデータ駆動型プロセスパラメータの自律探索などの新しい基礎研究,多くの産業界との共同研究を積極的に行っています.

これまでの研究の概要

①レーザ加工,②粉体プロセス,③プロセスインフォマティクスで,材料表面にマイクロナノ構造を施し,様々な機能を付与する

これまでの研究の概要

① レーザ加工:レーザアシスト転写による表面加工

樹脂・ガラスにナノ構造を高速転写するレーザアシストナノインプリントを開発,光学素子へ応用

①レーザ加工:レーザアシスト転写による表面加工

局所加熱で大面積微細構造を高速転写.様々な応用へ展開.

  • 科研費萌芽2011, 若手A2012-2013,企業共同研究4件
  • K. Nagato et al., J. Mater. Process. Technol. 2014 他 15報
  • 招待講演7件,基調講演 2件
  • Excellent Young Researcher Award, nanoMan2013受賞

② 粉体プロセス:燃料電池,アディティブマニュファクチャリング

固体酸化物形燃料電池のNiの磁場配列
固体高分子形燃料電池のパターン電極

固体酸化物形燃料電池のNiの磁場配列 固体高分子形燃料電池のパターン電極

電力密度1.6倍

  • 科研費若手A 2014-2015, JSTさきがけ 2013-2016,
  • K. Nagato et al., JECS 2018ほか 4件
  • KIT Prof. Ivers-Tiffeeグループとの共著
    (2011/9-2012/8共同研究員として滞在)
  • 招待講演 3件

金属積層造形法の高速度観察
ハイスループットプロセス探索

金属積層造形法の高速度観察 ハイスループットプロセス探索

特徴量と機械特性の相関関数3倍

  • 科研費基盤B 2022-2024, 企業共同研究 進行中
  • K. Nagato et al., Mater. & Des. 2023
  • KIT Prof. Schulzeグループとの共著
    (2019/7-10共同研究員として滞在)
  • 招待講演 1件

③ プロセス・インフォマティクス:燃料電池,蓄電池

機械学習・ロボットを活用した自動実験・自律探索

機械学習・ロボットを活用した自動実験・自律探索

85(3万)通りから40回で最適化

  • JST未来社会創造事業2019-2020探索,NEDO2023-2024
  • 九大,金沢大,横国大との共同研究
  • Sci. Rep. 2022, 工学分野年間ダウンロードランキングTop100
  • 新聞報道 3件,招待講演14件,工学系研究科長表彰 2023

マテリアル探索PJ にも参画

  • JST未来社会創造事業2021-2025本格代表者
  • 東工大,阪大,NIMSとの共同研究

3つの研究分野

ユーザの感性

製品の見た目,製品音の聞き心地,製品表面の触り心地などいった感性品質は,製品の魅力的価値を高める重要なファクタです.ユーザの期待や要求に沿うような感性品質を設計するためには,ユーザの感性評価のメカニズムを理解し,それらを予測・制御するためのモデリングが必要です.本研究グループでは,人間の心理や行動をその生物学的基盤である脳から理解しようとする認知神経科学的アプローチにより,感性をセンシングし,モデリングすることを目指しています.感性のセンシングには,脳波計測法(EEG),機能的磁気共鳴画像法(fMRI),視線計測法などの人間の生体信号を計測する技術を用いています.

設計者の独創性

ユーザの感性に加えて,設計者の創造性も設計に関わる人間的要素として重要です.創造性の中でも,斬新で価値あるアイデアを生み出す能力を創造的思考と呼びます.創造的思考のメカニズムを理解し,何らかの手法で創造的思考を増強することができれば,革新的な製品の設計を支援することが可能になります.本研究グループでは,認知神経科学的アプローチにより,工学設計における創造的思考のメカニズムを明らかにし,創造性の支援技術を開発することを目指しています.創造性のセンシングには,脳波計測法(EEG),機能的磁気共鳴画像法(fMRI)などの脳機能計測技術を用いています.

ブレイン・コンピュータ・インタフェース

N・ウィーナーによって提唱されたサイバネティクスは,生物と機械における通信,情報処理,制御の問題を統一的に扱う学問分野です.これまでに,サイバネティクスの考え方に基づき,人間の視聴覚機能や身体機能を補償・拡張するサイボーグ技術の開発が進められてきました.近年,脳機能計測・解析技術の発展により,人間の感情や認知に関わる脳機能を高精度に計測し,制御,拡張できる可能性が出てきました.本研究グループでは,人間の感情・認知機能を計測・制御するためのブレイン・コンピュータ・インタフェース技術を開発することを目指しています.
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長藤圭介 教授

長藤研究室 生産プロセス工学研究グループ

粉体プロセス統合工学グループでは,①粉体、燃料電池、3Dプリンタ、②ヒト、ロボットのサブグループにわかれて組織的に研究しています。

研究分野

表面微細加工

表面の微細構造は,光・熱・電気・力学など様々なおもしろい機能を発現します.その表面を高速で大面積に加工する方法とその応用を研究しています.特に,レーザを用いて局所的に表面のみを加熱・冷却することで微細構造を転写するレーザアシストナノインプリント法の開発,それを用いて大面積光学フィルム,高熱伝達沸騰界面,燃料電池,低摩擦表面,接合界面などの応用を模索しています。

粉体レーザ加工

粉体加工は,自由度の高い3次元構造,異種材料の複合材料などは,連続体を加工する従来の鋳造や鍛造では実現できない加工法です.特に,金属3Dプリンティング(Additive Manufacturing)は,レーザを用いた局所的に溶融・凝固を繰り返すことでそれを実現する方法ですが,熱・流体・材料・機械の四力学を総動員する必要のある複雑現象で,その現象は明らかになっていません.その現象解明とプロセス最適化の研究を行っています.

プロセス・インフォ

従来の粉体プロセスは,分散・混錬・塗布・乾燥からなり,加えてレーザを用いた積層レーザ焼結法はさらに複雑です.しかし,最適なプロセスパラメータセットを見つける必要があります.その物理現象はマイクロ・ナノスケールで高速現象のためモデルベースの現象解明には限界があります.物理現象を特徴づける「良い」データをセンシングし,オートエンコーダなどの「かしこい」機械学習をすることで,高効率にプロセスウィンドウを探索するデータ駆動型「プロセス・インフォマティクス」を開発しています.