研究

ヒト研究グループ

~ヒトの「感じる」「考える」「創る」を計測し,設計につなげる~

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グループ代表者:上田一貴 特任研究員

東京大学大学院工学系研究科 機械工学専攻

わたしたちのグループでは,実社会における人の主観・行動・生理反応を多角的に理解し,その知見をより良い生活・労働環境のデザインにつなげる研究を進めています.

本郷キャンパス工学部8号館の防電磁・防音シールドルームでは,脳波,心電図,皮膚電気活動,呼吸,視線,瞳孔径など,複数の生体信号を同時に計測できるマルチモーダル実験環境を整備しており,2名の被験者の同時計測による高度なヒト実験も可能です.

これらの実験データを用いて,

・心理状態や行動のメカニズム解明

・集中・疲労・創造性などの状態推定

・ヒトモデル構築とフィードバック技術の開発

といった研究を進めています.

3つの研究分野

ユーザの感性

製品の見た目,製品音の聞き心地,製品表面の触り心地などいった感性品質は,製品の魅力的価値を高める重要なファクタです.ユーザの期待や要求に沿うような感性品質を設計するためには,ユーザの感性評価のメカニズムを理解し,それらを予測・制御するためのモデリングが必要です.本研究グループでは,人間の心理や行動をその生物学的基盤である脳から理解しようとする認知神経科学的アプローチにより,感性をセンシングし,モデリングすることを目指しています.感性のセンシングには,脳波計測法(EEG),機能的磁気共鳴画像法(fMRI),視線計測法などの人間の生体信号を計測する技術を用いています.

設計者・デザイナの創造性

ユーザの感性に加えて,設計者・デザイナの創造性も設計に関わる人間的要素として重要です.創造性の中でも,斬新で価値あるアイデアを生み出す能力を創造的思考と呼びます.創造的思考のメカニズムを理解し,何らかの手法で創造的思考を増強することができれば,革新的な製品の設計を支援することが可能になります.本研究グループでは,認知神経科学的アプローチにより,工学設計における創造的思考のメカニズムを明らかにし,創造性の支援技術を開発することを目指しています.創造性のセンシングには,脳波計測法(EEG),機能的磁気共鳴画像法(fMRI)などの脳機能計測技術を用いています.

ブレイン・コンピュータ・インタフェース

N・ウィーナーによって提唱されたサイバネティクスは,生物と機械における通信,情報処理,制御の問題を統一的に扱う学問分野です.これまでに,サイバネティクスの考え方に基づき,人間の視聴覚機能や身体機能を補償・拡張するサイボーグ技術の開発が進められてきました.近年,脳機能計測・解析技術の発展により,人間の感情や認知に関わる脳機能を高精度に計測し,制御,拡張できる可能性が出てきました.本研究グループでは,人間の感情・認知機能を計測・制御するためのブレイン・コンピュータ・インタフェース技術を開発することを目指しています.
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上田 一貴 特任研究員

長藤研究室 ヒト研究グループ

脳波などの生体信号を手がかりに,ヒトの状態がどのように変化するのかをデータから明らかにします.とくに感性・創造性の働きをモデリングし,可視化することで,そのプロセスや特徴を捉えます.そこで得た知見を,より良い体験や環境を実現するための設計へと展開していきます.